ソニー「SXSW 2019」ブースに1万3千人が来場、“現代のAIの父” ユルゲン氏らが登壇したトークセッションも開催

2019年3月26日 17:40
ソニー「SXSW 2019」ブース

ソニーは、米国テキサス州オースティンで毎年開催される世界最大のクリエイティブ・ビジネス・フェスティバル「SXSW(サウス バイ サウスウェスト)」へ3年連続で出展した。

今回の出展では、15年間チェス世界チャンピオンのタイトルを保持し続けたガルリ・カスパロフ氏、AIの父とも呼ばれているユルゲン・シュミットフーバー氏、マサチューセッツ工科大学のメディアラボ研究者 ケイト・ダーリン氏を特別ゲストに迎え、さまざまなトークセッションを開催。人間のクリエイティビティや五感を向上できるテクノロジーについて議論した。

また、ソニーブース WOW Studioでは、3月9日〜12日までの4日間、各種体験型の展示も披露した。ソニーブースには、4日間で累計1万3千人以上が来場した。
 

トークセッション レポート

・Can technology re-envision human creativity?

テクノロジーの進化によって追求される“人間らしさ”とは何か、また、テクノロジーが人間の創造性にどのような影響を与えるかといった内容をテーマとしたセッション。人間が不得意とする網羅的な調査をAIやテクノロジーに任せることで、作業効率を高め、クリエイティブな作業により多くの時間を費やせるようになるなど、さまざまな議論が交わされた。
【登壇者】
“現代のAIの父” ユルゲン・シュミットフーバー氏
人間酷似型ロボット研究の第一人者 石黒浩氏
株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長 北野宏明氏

 

ソニー「SXSW 2019」ブース

 

・Is it silly to care about a robot?

人類とロボットの境界線や、人間がロボットに感情的なつながりを持つ理由について議論が行われた。ケイト・ダーリング博士は、自身が重点的に取り組んでいる研究において、人間が動物型ロボットに対し、非常に強い感情的なつながりを感じることを明らかにしている。
【登壇者】
マサチューセッツ工科大学(MIT) メディアラボ リサーチスペシャリスト ケイト・ダーリン氏
人間酷似型ロボット研究の第一人者 石黒浩氏

 

ソニー「SXSW 2019」ブース

 

・What is the future of musical creativity?

北野宏明氏とソニー・ミュージックエンタテインメント取締役 CFO 兼 コーポレートEVPの今野敏博氏が、SMEJとソニーCSLによる、AIアシスト作曲技術“Flow Machines(https://www.flow-machines.com/)”を活用した新たな音楽プロジェクトの構想に関するトークと、その場で制作した楽曲のデモンストレーションを行い、会場を盛り上げた。
【登壇者】
株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント 取締役 CFO 兼 コーポレートEVP 今野敏博氏
株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント コーポレートビジネスマーケティンググループオフィスマーケティングオフィス 兼 NBルーム 兼 経営企画グループ経営企画チーム 矢森達也氏
株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長 北野宏明氏

 

ソニー「SXSW 2019」ブース

 

・Can AI re-envision human creativity?

AIが、⼈間のクリエイティビティにどのように関わっていくのか、という今世界中で議論がされているテーマに対しパネルディスカッションを行った。機械が学習能力を習得し、人間の生活が脅かされることを懸念する声があるが、機械はすでに人間の生活に深く入り込んでいて、今後も共存していくのではないかと議論が交わされた。
【登壇者】
アバスト セキュリティアンバサダー ガルリ・カスパロフ氏
テキサス大学オースティン校AI・ロボット工学教授 Cogitai社社長兼COO ピーター・ストーン氏
株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長 北野宏明氏

 

ソニー「SXSW 2019」ブース

 

・Can AI x Robotics x Cooking drive a new food culture and gastronomic creativity?

AIは、どのようにしてガストロノミーに寄与できるかに焦点を合わせ議論が行われた。セッションの終わりには、香りの科学的なペアリングに基づき調合されたフードペアリングを参加者が体験。人間が思いもつかないような食材の組み合わせをAIを使うことによって提案することができると体験も交え話された。
【登壇者】
ハーモニークリエイター/ソムリエ フランソワ・シャルティエ氏
ソニー株式会社 シニアチーフリサーチャー 藤田雅博氏
株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 研究員 ミカエル・シュプランガー氏

 

ソニー「SXSW 2019」ブース

 

・Is your body yours? Technology re-defines embodiment.

テクノロジーによって人間の感覚をどのように向上できるか深い議論が交わされた。筋肉を伝わる信号の伝達を改善することで、身体をより素早く動かせるようになるといったテクノロジーが紹介された。
【登壇者】
スイス連邦工科大学 認知神経科学 教授 オラフ・ブランケ氏
株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 研究員 笠原俊一氏

 

ソニー「SXSW 2019」ブース

 

・What experience can anyone enjoy?

テクノロジーはどのようにしてすべての人にとって包括的なものになり得るか議論が行われた。WOW Studioでは、さまざまな分野の専門家が協力し作製した、人間の聴覚を高める体験型展示「CAVE without a LIGHT」が披露されており、本展示を例に登壇者それぞれがインクルーシブデザインについて感想や考えを述べた。
【登壇者】
Visioneers.Org/World Access For Blind創設者 ダニエル・キッシュ氏
Visioneerシニアインストラクター ブライアン・ブッシュウェイ氏
ソニー株式会社 品質・環境部、人間中心設計専門家、シニアマネージャー 西川文氏
ソニー株式会社 クリエイティブセンター デザインマネージャー 津田崇基氏

 

ソニー「SXSW 2019」ブース

 

・A new hero. A new story.How will technology create magic through storytelling?

テクノロジーがエンタテイメントを拡張し、ストーリーテリングを通して感動を生み出す可能性について議論が行われた。映画「キングダム」の一部プレビューも行われた。
【登壇者】
映像と音楽、VRの組み合わせによって共感覚の拡張を目指すゲームクリエイター 水口哲也氏
映画「キングダム」プロデューサー 松橋真三氏
Sony Pictures Screen Gems製作プレジデント/Sony Entertainment & Technology イノベーションスタジオ プレジデント グレン・ゲイナー氏

 

ソニー「SXSW 2019」ブース


 

体験型展示 レポート

・CAVE without a LIGHT(ケイブ・ウィズアウト・ア・ライト)

ソニー 品質・環境部、クリエイティブセンター、R&Dセンターによる、視覚に頼らず楽しめるインクルーシブデザイン(※)の体験型展示。暗闇の洞窟を再現し、ソニーの音響・触覚技術を用いて、参加者4名とインストラクターで音楽を協奏する体験ができる。本取り組みを通して、障がいの有無に関わらず多様な人が自分らしく楽しめるテクノロジーの可能性を提示した。
(※)インクルーシブデザインとは、多様なユーザーを包含・理解することで新たな気づきを得て、一緒にデザインする手法。

ソニー「SXSW 2019」ブース
 

・Flow Machines(フローマシーンズ)

ソニー・ミュージックエンタテインメントとソニーCSLが共同で、AIアシスト作曲技術を搭載した「Flow Machines」とその取り組みの紹介とデモンストレーションを実施。「Flow Machines」はアーティストのクリエイティビティを拡張することを目指す研究開発及び社会実装プロジェクトです。最先端の機械学習や信号処理技術により、アーティストとともに様々なスタイルの新しい音楽を生成することに取り組んでいる。
 

*「Flow Machines」はソニーCSLが開発した技術です。
 

・Superception(スーパーセプション)

コンピュータ技術を用いて人間の感覚に介入したり、人間の知覚を接続することで、工学的に知覚や認知を拡張、変容させる、ソニーCSLの研究の枠組み。一昨年・昨年に続き、この研究の一つとして、自らの影に起きる視覚変化により、自分の身体感覚の変化を体験できるシステム「Fragment Shadow」を展示した。

ソニー「SXSW 2019」ブース
Superception(Super + perception)
 

・Das Fremde(ダス・フレムデ)

言語がどのように生まれ、どのように発達・変化していくか。その研究をロボットと自律型エージェントプログラムを使って表現したソニーCSLによるインスタレーション。異なる個性や知識を持つ複数のロボットが、互いに語り合うことや、鑑賞者・周囲の環境から影響を受けることによって、新しい言葉を創り出し、新しいコミュ二ケーションを始める。来場者は、まったく違う言語や見た目を持つもの同士の交流は可能かといった、人間と人工知能・機械との関係性を問いかけるインスタレーションを体験した。

ソニー「SXSW 2019」ブース
Das Fremde
※Das Fremde:異邦人の意。

その他の詳細は、SXSW 2019 ソニーオフィシャルサイトまで。