【特集】ミレニアル世代のアーティストが創る新たな音楽シーン

back number、雨のパレード、リトグリ

back number、雨のパレード、リトグリの担当者が語るレコード会社のこれから

ユニバーサル ミュージック 藤田武志
ビクターエンタテインメント 池上健一郎
ソニー・ミュージックレコーズ 井藤叙彦

流れの速い音楽シーンの中で、新たな才能を開花させる次世代アーティストたち。そんな若手アーティストの中から、すでに幅広い層から支持を得ているback number、雨のパレード、Little Glee Monsterの担当者に集まっていただき、ヒットを生む制作のこだわりや、これからのレコード会社の役割について語っていただきました。
2017年3月13日掲載


“懐かしさ”が決め手となったback number

—— まずはみなさんのこれまでのキャリアと、それぞれのアーティストの担当になった経緯をお伺いします。

藤田:以前はフリーで、その後、山下達郎さんの事務所スマイルカンパニーに2年くらいいたんですが、退社後のある日、当時のレーベルヘッドに、「会社来られる? 1階のカフェでお茶飲もう」と呼ばれて、そのまま半ば強引に入社させられました(笑)。それでCharaさんがユニバーサルに移籍したタイミングで担当になり、そこから5年くらい担当しました。彼女のカッティングエッジなイメージもそうですし、彼女の人脈を通じて、多くのクリエイターたちと出会えたことが今の財産になっています。今回、YEN TOWN BANDをユニバーサルでやらせていただいたので、そこでまたCharaさんとご一緒できたんですが、今の自分があるのはCharaさんのおかげじゃないかなと思います。

現在、担当しているback numberは、2008年くらいに事務所から、「次はロックバンドやろうと思ってます」とデモが送られてきて、聴いた瞬間に「これはすごい」と思いましたね。その後、SHIBUYA BOXXで、HMVとタワーレコード共催でのレコ発ライブをやったときに、初めてback numberのライブを見て、ロックバンドなのにフォークみたいな懐かしさがあって、「これは面白いんじゃないかな」と思ったんですね。自分が高校生のとき、新しい音楽に触れたときの感覚にすごく似ていて、タイムスリップさせられたような感触がありました。そのときはインディーズから1枚出すというタイミングで、2枚目のフルアルバムから、うちも制作に参加し始めました。それがまだ下北沢でライブやっていた2009年くらいですね。

音楽に留まらないクリエイティブ集団・雨のパレード

—— 池上さんはどのような経緯で雨のパレードを担当されるようになったんですか?

池上:SPEEDSTAR RECORDSというレーベルにいて、最初はCoccoやLÄ-PPISCHをやっていたディレクターに付いていたんですが、そのディレクターが異動することで自分が引き継ぐことになり、以後、色々なアーティストに関わっていくようになりました。上田現さん(LÄ-PPISCH)がお亡くなりになったときに、トリビュート盤や残された音源をリ・レコーディングする企画に関わりました。1アーティストから派生して、様々なアーティストや事務所の方々とリレーションするきっかけになったので、上田現さんのプロジェクトはすごく大きかったと思います。キャリアとして影響があったというよりは、音楽を人生観の一部として捉えるような、エポックメイキングな経験でした。現在はLOVE PSYCHEDELICOやKREVAも担当しています。

雨のパレードは、当社の新人開発部門からの紹介で2014年に初めてライブに行ったんですけど、最初は全然動員がなかったんですよ。音楽的にも「難しいな」と思っていました(笑)。でも、パッと見たときの印象が良かった。所謂“見た目”がすごく良かったんですよね(笑)。SPEEDSTAR RECORDSというレーベルには、“ポップ”かつ“アバンギャルド”というポリシーがあるんですが、メンバーがそういう意識が強いなと思いました。ファッション性に富んでいて、音楽だけに留まらない展開ができる可能性を感じました。そんなアーティストをいつかできればという想いを持ちつつ、動員ゼロから一緒に頑張ってきました。彼らは「幕張メッセを埋めたい」と言っていて、出会った当時から「売れたい」という強い野望がすごくありましたね。

ユニバーサル ミュージック 藤田 武志さん
▲back number担当
ユニバーサル ミュージック
ユニバーサル シグマ
制作本部 第2制作部 次長
藤田 武志さん
ビクターエンタテインメント 池上 健一郎さん
▲雨のパレード担当
ビクターエンタテインメント
制作本部 スピードスターレコーズ
池上 健一郎さん
ソニーミュージックレコーズ 井藤 叙彦さん
▲Little Glee Monster担当
ソニー・ミュージックレコーズ
第二制作部 Gr8!records A&R
井藤 叙彦さん

地道に歌い続けた日々が実ったLittle Glee Monster

—— 井藤さんはいかがですか?

井藤:僕が最初に制作に関わったのはGoose houseというシンガーソングライターグループです。その前はプロモーションの仕事をしていたのですが、当時からBOOM BOOM SATELLITESのメンバーにすごく可愛がってもらっていて、担当の理解もあって色々と手伝わせてもらうことで勉強させてもらいました。それが、今の制作の仕事をするうえでのスタンスの基礎になっているというか、基本的な考え方をそこで学ばせてもらった気がしています。

それから、シンガーソングライターのYUIが結成したバンドFLOWER FLOWERを1年ほど担当し、その後、元々僕の今の上司が育成をしていたLittle Glee Monster(以下 リトグリ)のデビューに向けて担当になりました。担当になったその日に「今日イベントをやるから観てきて」と言われ、千葉のショッピングモールで行われたイベントに行くとお客さんが20人くらいしかおらず、その時は「これはどうしよう・・・」と思ったんです(笑)。当たり前ですが、“歌ウマ”といっても今と比べるとまだまだでしたし、そこで初めて聴いた印象は「中学生にしては上手いな」くらいだったので。

そこから、小さなライブハウスなど場所を問わず、とにかく歌いまくる機会を作りました。新人にしては比較的予算もかけられた方でしたが、最初からタイアップが決まっていたわけでもなく、本当に地道に歌い続けてきました。アカペラもやれるというのがすごく強みになり、じわじわと話題になってきて、地上波の情報番組に出させてもらったり、最近ではゴスペラーズやDREAMS COME TRUEといった大物アーティストの方から「君ら上手いね」と気に入ってもらえたりもしました。大きなフェスに出る一方で地道に小さな場所でも歌ったりと、振れ幅はすごく大きかったのですが、どんな環境であろうと変わらないパフォーマンスができるように育てないと、という想いはすごくありました。彼女たちは若いので、歌手として良いパフォーマンスができるテンションにもっていけるような環境や、彼女たちへの意識付けの言葉などもすごく考えるようにしています。





特別連載企画『未来は音楽が連れてくる』榎本幹朗氏 NEWマーク画像【音楽業界関係者必見!】
日本の音楽産業は鎖国状態?
世界の最新音楽ビジネスモデルを分析した特別連載特集。

連載第68回 ジョブズの師、知野弘文〜スティーブ・ジョブズ(20) <4/19 更新!>

【後半】インターネットの恩恵を受けたアーティストKOHHとマネージメントの新たな挑戦
【特集】ミレニアル世代のアーティストが創る新たな音楽シーン【後半】インターネットの恩恵を受けたアーテ…

【特集】ミレニアル世代のアーティストが創る新たな音楽シーン
2015年に世界の音楽産業で史上初めてデジタルの売上がフィジカルを上回り、ライブ市場が急拡大するなど…

「ヒット」を再定義して音楽の未来を描く『ヒットの崩壊』著者 柴 那典氏インタビュー
音楽ジャーナリスト・柴那典氏による著書『ヒットの崩壊』が発売された。CD時代の終焉が迫り、オリコンラ…

独立系レーベルの楽曲をメジャーと同等の条件で世界に配信 デジタル・ライツ・エージェンシー「マーリン」インタビュー
世界中の独立系レーベルのデジタル権利を支援する団体マーリンの日本オフィスであるマーリンジャパン…

「歌詞を味わう」体験をアップデートする 〜歌詞が浮き出る革新的スピーカー『Lyric speaker』インタビュー
音楽と同期して歌詞が表示される次世代型スピーカー『Lyric speaker』が各所から注目を集めて…

「音楽オタク」としてファンの望む音楽映像を届け続ける WOWOW 取締役コンテンツ本部長 山下浩志郎氏インタビュー
開局当初よりビックアーティストからマニアックなアーティストまで、硬軟入り交じった番組プログラムで、音…

【後半】『ニッポンの編曲家』出版記念インタビュー スタジオ・ミュージシャンの生演奏の素晴らしさを伝えたい 梶田昌史
70〜80年代の活気に満ち溢れたレコーディング・スタジオで音と格闘を続けていた編曲家に焦点を絞り、た…

【前半】『ニッポンの編曲家』出版記念インタビュー「熱い音楽をどうやって作っていくか」川瀬泰雄×吉田格
70〜80年代の活気に満ち溢れたレコーディング・スタジオで音と格闘を続けていた編曲家に焦点を絞り、た…

日本人として世界で戦うハイブリット企業 ディグズ・グループ 代表取締役 工藤与明 × 音楽プロデューサー 今井大介 対談
STY(エス・ティ・ワイ)、HIROを筆頭に次世代クリエイターが数多く所属するクリエイティブ・チーム…

世界のトップ・アーティストが指名するマスタリング・エンジニア ー メトロポリス・スタジオのスチュアート・ホークスに会ってきた
過去25年間におよぶマスタリング・エンジニアとしての経験とノウハウを持って、無名の新人からトップ・ア…

【後半】新たな音楽&才能との出会いは一種の“麻薬”である
モダンフォークカルテット、ソロとアーティスト活動を通じて、60年代後半のアメリカを“実体験”した麻田…

過去最大規模の650社が出展「第4回 ライブ・エンターテイメント EXPO」「第4回 イベント総合 EXPO」今年の見所は 過去最大規模の650社が出展「第4回 ライブ・エンターテイメント EXPO」「第4回 イベント総合 EXPO」今年の見所は
イベントに関する演出機材やグッズ、各種サービスが一堂に集まる日本最大級の見本市「第4回 ライブ・エン…

1億人を超える楽天会員基盤を最大活用 〜 定額制音楽配信サービス「Rakuten Music」 1億人を超える楽天会員基盤を最大活用 〜 定額制音楽配信サービス「Rakuten Music」
楽天が2016年8月に提供を開始した定額制音楽配信サービス「Rakuten Music」。サービス開…

「More than a ticket」を標榜し世界へアプローチするPeatix 〜ピーティックスがチケット再販機能をリリース 「More than a ticket」を標榜し世界へアプローチするPeatix 〜ピーティックスがチケット再販機能をリリース
誰でも簡単にグループ・イベント管理、チケット販売・集客が行えるウェブサービス・モバイルアプリ「ピーテ…

利用者の約7割が「CD / DVDを購入するきっかけになる」と回答 パッケージの価値を高める「プレイパス」サービスが拡大 利用者の約7割が「CD / DVDを購入するきっかけになる」と回答 パッケージの価値を高める「プレイパス」サービスが拡大
CDやDVD/ Blu-ray Discに封入されているパスコードを入力することで、リッピングなしに…

インターネットテレビの視聴“体験”を“習慣”に変える AbemaTV 編成制作局長 藤井琢倫氏 インタビュー インターネットテレビの視聴“体験”を“習慣”に変える AbemaTV 編成制作局長 藤井琢倫氏 インタビュー
2016年4月に開局したインターネットテレビ局「AbemaTV」が11月に1,000万ダウンロードを…

日本初!ダンス・ミュージックの国際カンファレンス&イベント「TOKYO DANCE MUSIC EVENT」開催 日本初!ダンス・ミュージックの国際カンファレンス&イベント「TOKYO DANCE MUSIC EVENT」開催
ダンス・ミュージックに焦点をあてた日本初の国際カンファレンス&イベント「TOKYO DANCE MU…

【13th TIMM】BABYMETAL、スカパラ・・・日本人アーティスト海外公演の舞台裏を語る「キー・プレーヤー:ザ・ブッキング・エージェント」 【13th TIMM】BABYMETAL、スカパラ・・・日本人アーティスト海外公演の舞台裏を語る「キー・プレーヤー:ザ・ブッキング・エージェント」
10月24日〜26日にかけて開催された、日本音楽の海外進出を目的とした国際音楽マーケット「第13回東…

新しい時代を鳴らす楽器クリエイターを輩出したい オリジナル楽器のコンテスト「THE 楽器 DE SHOW!?」が開催 新しい時代を鳴らす楽器クリエイターを輩出したい オリジナル楽器のコンテスト「THE 楽器 DE SHOW!?」が開催
ソニーミュージックによるエンタテインメントの学びの祭典「SONIC ACADEMY FES 2016…

【チケット不正転売問題】「コンサート文化について考え直す岐路に立たされている」 — ACPC会長/ディスクガレージ代表取締役社長 中西健夫氏インタビュー 【チケット不正転売問題】「コンサート文化について考え直す岐路に立たされている」 — ACPC会長/ディスクガレージ代表取締役社長 中西健夫氏インタビュー
8月23日、日本音楽制作者連盟(以下、音制連)、日本音楽事業者協会(以下、音事協)、コンサートプロモ…

多彩なビジネスセミナーで海外進出の糸口をつかむ 「第13回 東京国際ミュージックマーケット(13th TIMM)」10月24日より開催 多彩なビジネスセミナーで海外進出の糸口をつかむ 「第13回 東京国際ミュージックマーケット(13th TIMM)」10月24日より開催
日本音楽の海外進出を目的とした「第13回 東京国際ミュージックマーケット(13th TIMM)」が1…

ニューミドルマン座談会「ナイトエンターテイメント」と「フェス」、注目シーンの最先端から見た、新時代音楽ビジネスの可能性 ニューミドルマン座談会「ナイトエンターテイメント」と「フェス」、注目シーンの最先端から見た、新時代音楽ビジネスの可能性
IT、デジタル化の波は、音楽、エンターテイメントにも訪れている。新しい時代に対応した人材を育成するこ…

バザール12020701【居抜スタジオ】 プロユーススタジオ機材を大放出中!
新商品【居抜スタジオ】が出品されました!NEWマーク画像