【前半】YGブランドを通じて360度のライフスタイルを提案
YG ENTERTAINMENT JAPAN CEO 代表取締役 渡邉喜美インタビュー

株式会社YG ENTERTAINMENT JAPAN CEO 代表取締役 渡邉 喜美氏
株式会社YG ENTERTAINMENT JAPAN CEO 代表取締役
渡邉 喜美

2016年、韓国デビューから10周年を迎え、初のスタジアム公演やドームツアーなどその勢いが止まらないBIGBANGを筆頭に、WINNER、iKON、BLACKPINKなど次々と人気アーティストを送りだすYG ENTERTAINMENT。その日本法人「YG ENTERTAINMENT JAPAN」が今年10周年を迎える。今回は同社 CEO 代表取締役 渡邉喜美さんに、2016年のYGを振り返って頂きつつ、2017年の展望や、全世界へ飛び立つ韓国の音楽業界の現状までじっくり話を伺った。
2017年4月26日 掲載
PROFILE
渡邉 喜美(わたなべ・よしみ)

YG ENTERTAINMENT JAPAN 代表取締役社長
1968年 福島県生まれ
1999年 Avex Entertainment Inc. 入社
2012年 YG ENTERTAINMENT JAPAN 入社

avex時代にはDo As Infinity、dreamや数々の海外アーティストのマネジメントを担当。
現在は韓国に本社があるYG ENTERTAINMENT日本支社の代表取締役社長として、BIGBANGをはじめとする韓国人アーティスト、韓国人・日本人俳優のマネジメントを中心に、自社のアパレルブランドであるNONAGONやコスメブランドmoonshotなどの日本展開を手掛けている。

「10年間の成果」をファンと共有できたBIGBANGの2016年

—— 2016年はBIGBANGを筆頭にYG ENTERTAINMENT(以下 YG)所属アーティストが活躍されていた印象が強いんですが、昨年1年間を振り返って頂けますでしょうか?

渡邉:もう思い出せないくらい目まぐるしい1年と言いますか、非常に素晴らしい結果を残すことができた1年だったと思います。去年はBIGBANGのデビュー10周年だったので、1年間をお祝いの年にしました。もちろん日本全国のファンの皆さんとお祝いしたかったんですが、会場の都合であったり、アーティストの都合だったり色々ありましたので、夏に初のスタジアムコンサートを開催しました。

—— アーティストの都合というのはスケジュールの問題ですか?

渡邉:はい。私は日本支社の責任者なので日本のことだけを考えていればいいんですが、YGのアーティストはグローバルに活動しているので、色々な国で10周年のお祝いをしなくてはならなかったんです。ですから、日本のファンの皆さまのために、なんとか日本のスケジュールを確保したかったんですが、世界各国にファンがいて、みんなのBIGBANGですので、その調整がなかなか大変で、結果、大阪のヤンマースタジアム長居に集約する形でお祝いをさせて頂きました。BIGBANGもずっとドームでコンサートをやってきて、慣れてきたという言葉は良くないんですが、その規模でも純粋に楽しみながらパフォーマンスできるアーティストになったんですが、流石にスタジアム規模になると、メンバーがもう舞い上がってしまって、色々間違えてました(笑)。

—— ハイになってしまって?(笑)

渡邉:そうです(笑)。「自分たちがこの10年間やってきた成果だ!」みたいな感じですごく舞い上がっていて、ちょっとびっくりしました。もちろん「a-nation」とかそういったスタジアム・イベントにゲストで出させていただくことはあるんですが、ワンマンでは初めての経験でしたし、ものすごい歓声に本人たちが一番感動していました。「辛いこともたくさんあったけど、頑張って良かった」という想いを、アーティストとスタッフ、そしてファンの皆さんと共有できたすごい年だったと思います。

—— あとにも先にも絶対に忘れられない3日間だったんでしょうね。

渡邉:でも、本当は東京でもやりたかったですし、スケジュールや会場の都合がつけば、もっと多くのファンの皆さんに感動をお伝えすることができたわけで、それを少しでも…という想いから、今回DVD(『BIGBANG10 THE CONCERT : 0.TO.10 IN JAPAN +BIGBANG10 THE MOVIE BIGBANG MADE』)をリリースさせていただきました。メンバーたちが本当に良い表情をしているので、是非多くの方々に観ていただきたいですね。

YG ENTERTAINMENT BIGBANG
BIGBANG

—— やはりメンバーの日本への想いも強かったんでしょうか?

渡邉:日本が一番苦労した国ではあると思うんです。彼らは韓国語も日本語も英語も中国語もできるんですが、中でも日本語に一番力を入れていました。他の国、例えば、中国へ行ったら中国語で話しますし、アメリカへ行ったら英語で会話しますが、その国の言葉にローカライズさせて歌っているのは日本だけなんですよね。BIGBANGの韓国語の歌を中国語に変えて歌ってはいないですし、英語に変えては歌ってないんですが、日本ではほとんどの曲を日本語で歌っているので、やはり苦労しています。インタビューも中国だと韓国語の通訳さんが入る感じですが、日本の場合はテレビ番組に出ても何に出ても全部日本語でやっています。BIGBANGはああ見えて意外と努力をしているんですよ(笑)。

—— 努力なしではあのクオリティは出せないと思います。

渡邉:うちの事務所はどちらかというと「頑張っている」とか「努力している」姿を見せないんです。他の事務所さんはやはり頑張っている姿を見ていただいて、みんなに応援していただくという感じなんですが、うちはヒップホップがルーツにある会社なので努力する姿はあえて見せないんです。でも、陰ではすごく努力していますし、日本では苦労してきました。

—— その苦労がスタジアムコンサートに結実したんですね。

渡邉:「ここまで来たんだ」という感慨が深かったんだと思います。そのスタジアムコンサートが夏にあり、11月・12月にやったドームツアーが10周年の締め括りだったんですが、10周年のお祝いが終わることももちろんありますが、メンバーのT.O.Pが軍隊に行くことになり、BIGBANGとしては初めてメンバーが一時的に抜ける、というところでメンバーたちの気持ちがまたすごく揺れたんです。

BIGBANGの5人は本当に仲が良くて、グループの仲間という人間関係を超えてしまっているので、この11月・12月のドームツアーはメンバーにとって非常に辛く、悲しい気持ちでやっていかなきゃいけないツアーでした。さきほどお話したYGという会社の持つ特徴じゃないですが、BIGBANGって人前で泣くのが大嫌いなんですよ。やはり、人前で泣くのはあんまりかっこいいとは思ってないみたいで。

—— BIGBANGはクールな印象がありますよね。

渡邉:そうなんですよ。お客さんの前に立っているときは泣かない、みたいなところがあって。そんなBIGBANGなんですが、やはりドームツアーの最終日は特別でした。その日は昼間にイベントをやって、夜ライブをやるという過酷なスケジュールでしたが、T.O.Pはもうお客様に会えなくなっちゃうので、とにかくたくさんのお客様にお会いできるようにと、あえてそういうスケジュールを組んだんですが、その昼間のイベントで、我慢していたT.O.Pが泣いちゃって、メンバーも…でも堪える、泣かない、みたいな感じだったんです。そして、私はこらえましたけど、スタッフがみんな泣いているんですよ。だから…みんな辛かったですね。もちろんファンのみなさんも辛かったと思います。

これは韓国の音楽業界事情みたいなところに繋がるんですが、韓国の健康な男子はみんな軍隊に行かなくてはならないので、これって毎回訪れる話なんですよ。T.O.Pが特別でもなんでもなくて、もう間もなく他の4人も行かなくてはならないから、T.O.Pを送りながらもやっぱり自分たちの未来、こうやってファンと別れていかなきゃならないんだ、というモヤモヤした気持ちも抱えながらの11月、12月みたいな感じでしたね。

『BIGBANG10 THE CONCERT : 0.TO.10 IN JAPAN +BIGBANG10 THE MOVIE BIGBANG MADE』
『BIGBANG10 THE CONCERT : 0.TO.10 IN JAPAN +BIGBANG10 THE MOVIE BIGBANG MADE』Blu-ray Discジャケット


—— BIGBANGに関しては、この先はどのような活動が予定されているのでしょうか?

渡邉:近い将来、他の4人も軍隊に行かなくてはいけないので、みんな覚悟しているんですね。もちろん、いつ行くかというのは国が決めることなので私にも分かりません。でも間違いなくT.O.Pが行ったということは、順番なのか一緒なのか分からないですが、行かなくてはならない日がきます。BIGBANGって本当にメンバー1人1人がものすごくパワーがあって、ソロで活動できる人たちの集まりなんです。ですから、グループとして今は1人欠けている状態なので、1人1人が一アーティストとして、ソロの活動をしたり、4人で出来る時間も短いので4人で出来る何かイベントやったりとか、色々やっていこうと考えています。




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