多彩なビジネスセミナーで海外進出の糸口をつかむ
「第13回 東京国際ミュージックマーケット(13th TIMM)」10月24日より開催

「海外はとにかく“誰と組むか”が最重要課題」

—— 今年は例年以上にセミナーに力を入れているそうですね。

道島:今年は渋谷で8本、お台場で1本の計9本のセミナーを予定しています。TIMMのセミナーは音楽に特化したものですが、世界の第一線で活躍している皆さんをお呼びして、貴重な話を聞けるセミナーは今後の肝だと考えています。TIMMを海外のディールメイキングの話をするだけの場にしてしまってはもったいないと思っているんです。多彩なスピーカーの方がいらっしゃるので、例えば、その人の話を聞く。そして、多くのレコードレーベルの方が出展ブースを出しているので、名刺交換をしたりだとか、出会いの場としても有意義な場所に出来たらいいですね。

「第13回 東京国際ミュージックマーケット(13th TIMM)」ビジネスセミナー
—— 海外市場の最先端を知ることができる上に、新たなビジネスパートナーとも直接出会える機会はまだまだ少ないですからね。

道島:今回は様々なテーマを用意していまして、その一つに「海外公演に向けて、日本アーティストがすべき準備とは」というセミナーもあります。今まで海外に活動の幅を広げるアーティストたちを見てきたのですが、「とりあえずライブをやって帰ってくる」というケースが多いように思えるんですね。呼ばれて行ってやるのは良いんですが、その前に現地でどんな準備をして、何をしたらより受け入れられるのかを戦略を立てて準備したほうがやはり良いです。また、海外展開はお金がかかるので、単発のお金の流ればかりを意識していても、最終的に「儲からないから止めようよ」という話になってしまいます。あとはご存知のように海外はとにかく“誰と組むか”が最重要課題なんです。TIMMには世界各国から音楽ビジネスのキーパーソンが参加するので、現地のプロモーターでもコーディネーターでも、多くの方々と話していただいて、組む相手を見つけてもらいたいですね。

—— アーティストとの相性も含めて、誰とどのようなパートナーシップを結ぶかを見極める場にもなると。

道島:そうです。日本で言えば、現状アニソンが一番成功していますし、TIMMにもアメリカのアニメイベントのオーガナイザーがたくさん来ています。アニソン以外でも、去年から今年にかけて言えば、BABYMETALのようなバンドも成功しています。昨年TIMMでメンバー自らバイヤーにプロモーションしていたBAND-MAIDもヨーロッパ・ツアーが決まっていますし、海外での成功例は確実に増えています。上手くやっていけば、そういった流れも1年後には必ず出来てくるんですよ。

桑原:音楽産業と言っても、レコード会社、プロダクション、音楽出版と色々な会社や立場がありますが、数多いセミナーを通して、それぞれの立場で注目してもらえると、その人にとっての財産になると思います。特にこれからの日本の業界を背負って立つ若い人たちに参加してもらえると嬉しいですね。

—— 今回は9つのセミナーがありますが、中でも「これを是非観て欲しい」というお薦めはありますか?

道島:難しいですね。Kaz Utsunomiyaさんと丸山茂雄さんのセミナーは、多分凄く面白いと思います。話がどこに行くかですけど、非常に注目して欲しい。あとは初日にある「キー・プレーヤー:ザ・ブッキング・エージェント」。ジョン・パントルさん。この方は初音ミクやSEKAI NO OWARIのアメリカ公演を手がけたアメリカのエージェントで、日本の音楽に非常に理解がある方です。あとはロス・ワーノックさん。ヨーロッパにベースがある方ですが、BABYMETAL、Crossfaith、きゃりーぱみゅぱみゅなど、日本の音楽をかなり取り上げています。こういった大きなブッキング・エージェントの方が、今日本のアーティストをどういう風に考えてやっているのか知ることが出来るのは、TIMMならではです。

桑原:後は2日目の小室哲哉さん。ジェイ・コウガミさんもデジタルミュージック・ジャーナリストとして参考になる話をして下さると思います。

道島:他にも中国の著作権についてのセミナーもありますし、アジアのフェスのオーガナイザーが集まるセミナーもあります。ですから、どのマーケットに自分たちのプライオリティがあるのかを念頭に置いて、セミナーに参加してもらっても良いかもしれないですね。欧米に向いているのか、アジアに向いているのか、と。

—— そういった意味ではバラエティに富んだ、今後の指標となるテーマがたくさんあるなと思いました。セミナーに関しては今後も力を入れていく予定ですか?

桑原:それはもうJCS全体として同じ意見です。

道島:ですから、1日だけ見たい人のために今年から「1DAYパス」を本格的に導入しています。僕らも毎年全く満足はしていないので、より良いものに変更していきたいと思っています。先ほど音楽業界の若い方々と言いましたが、そういった方々にどんどん入ってきてもらって、キープレイヤーになっていって欲しいですよね。