チケットガードのパイオニアEMTG
「チケットの販売方法も含めて包括的な転売対策に取り組む」

EMTG株式会社 代表取締役社長 冨田義博氏 インタビュー

無理のない線で簡易に対策する

EMTG株式会社 代表取締役社長 冨田義博氏
—— 転売の動きに対して「全席指定の固定額ではなく、もっとチケット代に幅をつけていけばいいのでは?」という意見もあります。そういう考えについてはどう思われますか?

冨田:多少なら問題ないんじゃないでしょうか。オペラもSS、S、A席とかありますしね。でも、その金額をはるかに上回る転売取引がなされていると思いますけどね。SSが2万円だとして、それが10万円で取引されるとか、その状況はあまり変わらないと思います。少しの価格差をつけたところで、それが10万円で取引されたら元も子もないですよね。それに関係する話ですが、全席指定で、スタンプを押したときに初めて座席が出るような仕組みもEMTGにはあります。すでに何組かのアーティストでやっているんですけどね。

—— 入場のタイミングで初めて席がわかる?

冨田:はい。その場で抽選ということではなく、すでに裏側では座席番号が決まっていて、入る段階で初めて表示されるという仕組みですね。

—— 常にシステムは改善されていると思うんですが、これまでEMTGのシステムを導入してなにかトラブルはありましたか?

冨田:以前は「スタンプが押しにくい」といったケースも稀にありましたが、スタンプも反応しやすいものを自前で開発しました。あと、トラブルとは違いますが、THE YELLOW MONKEYさんのツアーで最初、紙のチケットで売ってしまった後に、EMTGのシステムを導入することになり、紙から電子チケットに交換するということにチャレンジさせてもらいまして、紙チケットを全部弊社に送ってもらったんですね。これは少し大変な作業でした(笑)。

—— それは大変ですね…。

冨田:全部で約6,000枚のチケットが送られてきて、それを電子チケットに変えていきました。

—— アナログな作業ですが、それが一番確実ですよね。

冨田:他に方法がないんですよね。実券だから回収するしかない。そうであれば弊社に送ってもらおうとシンプルに考えました。

—— THE YELLOW MONKEYの復活ツアーは大変な話題になりましたが、EMTGへの反響はどうでしたか?

冨田:ファンクラブの方々にとって見れば、高値で販売しているところでは買いたくないですし、高額転売に反対しているファンの方が多いので、「今回の導入は非常に良かった」と仰って下さっていますし、Twitterを見ていても「他のファンクラブでも導入すればいいのに」という声も上がっています。そういう部分ではインパクトの大きいツアーだったと思います。

—— EMTGのようなシステムはチケット保護、アーティスト保護とユーザーの自由度のバランスを保つのがなかなか難しいですよね。その辺についてはどのようにお考えですか?

冨田:EMTGは最初オリジナルのカードに顔写真を入れてもらうという、お客様にはご面倒をお掛けするシステムでした。その後、「携帯は人に貸さないだろう」とスマホでの電子チケットにして、なるべく簡潔なシステムにしてきました。それは少しずつ実現できているかなと思いますが、まだ始まったばかりですし、皆さんまだまだ電子チケットに慣れていないので、我々もUIやUXに改善の余地があると考えています。今後はアメリカのチケットマスターみたいによりシンプルにしていきたいですね。

—— 長年EMTGを使っているコブクロのファンの方々は、もうシステムに順応されていますか?

冨田:慣れていただいていると思います。最初は新しい入場への不安もあったと思うんですが、「おかげで行きたいチケットが確実に取れるようになりました!」みたいな感想もたくさん頂いています。

—— 目に見えた成果が出てくると、多少の手間も納得できますよね。また、メモリアルで色々な写真が見られたり特典が付いてくるのも、ファンとしては嬉しいですよね。

冨田:そうですね。電子チケットで転売対策にご協力いただく代わりに、電子チケットならではのファンサービスもさせていただいています。

—— 今後、チケットの不正転売の抑止や二次流通は、どんな変化を辿って行くとお考えですか?

冨田:いろいろな方法があるんだと思いますが、我々はスマートフォンのアプリであれば、簡単に転売を防げると思っていまして、お客様になるべく手間が掛からないようにしたいのと、全国ツアーに機材を持っていかなければいけないということになると、チケット代や手数料に価格として跳ね返ってくる。だからなるべく簡単にやるべきだと我々は考えています。

—— EMTGはすでに多くの実績を積まれていますし、確実かつ迅速に転売問題に対応できる有効な方法ですよね。

冨田:ありがとうございます。現状は紙チケットの身分証チェックを併用する形でやっていますが、いずれ全てを電子化していきたいと思っていますし、またガラケー対応も取り組んでいきます。我々は各アーティスト様、興行主様の考え方に柔軟に対応できる技術と経験を持っておりますので、困っていたら是非ご相談いただきたいですね。