「スマホでできることならなんでもできる」単なる入場ツールに終わらない“楽しさ”を提案
DMM.com イベント事業部営業局 局長 中村圭一氏、Live Styles 取締役 飯塚優希氏 インタビュー

コンサートの感動を助長するような仕掛けも

—— 皆さん不正転売の防止、クリーンなマーケットの拡大のためには電子化はマストだと仰っています。

中村:紙には紙の良さがありますが、ライブ会場にチケットを忘れる方はいても、日常的なアイテムであるスマートフォンを忘れる方はあまりいないんですよ。ですからスマートフォンチケットが今後増えていくことは間違いないと思います。動画、調べ物、地図、今は何でもスマートフォンで完結しているじゃないですか? そこにチケットがあっても良いんじゃないかな、と。もちろん、10年後には、10年後のテクノロジーに合わせた新しい世界観がある。先のヴィジョンは分かりません。しかし、現時点でユーザビリティを考えると、追求しやすいのはスマートフォンチケットなんじゃないかと思います。

—— ユーザーからはキャンセル機能もつけてほしいという要望があると思います。

飯塚:基本的に「tixeebox」は発券ツールでしかなくて、販売機能やイベントを探す機能はないのでキャンセルという概念がないんです。

中村:「tixeebox」は、実際に購入されたモノ(チケット)を受け取る場でしかないので、キャンセルできますか? という問い合わせがあっても、「tixeebox」としては対応出来ない。そこに関しては、主催者様と販売先でどういうスキームや規約を作っていくのかに紐付いていますね。

—— あえて発券・再販のツールに特化したということでしょうか?

飯塚:仕組みとして、キャンセルを受け付けて販売者に戻すことはもちろん可能ですが、「tixeebox」にピボットするにあたって、意図的に販売レイヤーから外れたんですね。その背景には、販売して、お客様のニーズも汲んで、主催者様にも認知してもらうというのは、あまりにもハードルが高い。我々のツールがイベントやエンタメの業界にどう貢献できるのか考えた時に、販売は販売の専門家に任せたほうが確実で早いという判断になりました。

—— 餅は餅屋、ということですね。

飯塚:そうですね。ですから、主催者様やプレイガイドさんと一緒にこの事業をやらせて頂いているという認識です。

中村:プラットフォームでありツールにすぎないので主催者様の判断が大前提なんです。主催者様が「こういうお客様がいた時にはこうしたい」という要望があればそれに合わせてソリューションを提供するというだけでしかないんですね。僕らは販売にしても興行にも、直接イニシアチブを持っているわけではないんです。

—— 今後はどのような展開を予定していますか?

飯塚:初期導入費用もかかりませんし、チケットのデータが貰えればどこにでも繋ぎ込めるような仕組みなので、端末の設置や余計な付属品もいらないという導入のハードルの低さをもっと周知していきたいですね。アプリで全てが完結するサービスとして展開していますので、それがどんな興行でも当たり前に入っている状況を作らなくてはいけないと思っています。特に転売防止を機能として強めたツールになっているので、そこに関しては自信を持って主催者様に提供できますが、主催者様ばかりではなく、お客様にも選んでもらえるように、機能の拡充であったり「DMM Passストア」のようなプラットフォームと提携したり、問題の解決も兼ねてお客様と主催者様のメリットになる展開ができればと思っています。

—— ユーザー向けのサービスとして電子チケットならではの特典もあるんでしょうか?

中村:「tixeebox」でチケットを発券されたお客様には、今でも付加価値という形の提供はさせていただいていますが、チケットを受け取るだけではなく、スマホでできることならなんでもできると思っています。ですから案件に応じてお客様に驚きと感動を与えたいという想いは常にあります。

—— 興行する側やアーティストが「こういう事をしたい」という提案に応える?

中村:どんどん要望を出して欲しいですね。単なる入場ツールに終わらずセットリストだったり、試聴によるプロモーションだったり、そういったものを提供できる仕組みはありますので、後はそれを積極的に使っていただければというところですね。券面を受け取った方が対象になるので、クローズドの環境の中でお客様を賑わせる施策、アーティストに回帰するような施策、「コンサート面白かったよね」という感動を助長するような施策を提供させていただければ、一音楽ファンとしても楽しいかなと思いますね。

飯塚:今は、不正転売がピックアップされていて、それはそれで有り難いんですが、それは表に出なくてもいいことなのかなと思います。その仕組みは裏で提供しつつ、お客様がスマートフォンチケットを受け取った時に、色々と楽しめるものをどんどん提供できたらと思いますね。

—— 不正転売防止の機能はユーザーがワクワクするものとはちょっと違いますからね。

中村:チケットを受け取ることにさらなるエンタメ性を提供していく一方で、コンサートに付随する規約を守れるようなシステムが必然的にインクルードされていて、不正も防止できる状況が作れると一番良いですね。不正転売に反対する声明によって、「tixeebox」のソリューションを使っていただける余地が増えていますし、最終的には、お客様を満足させるところに帰結させることができるので大歓迎です。

飯塚:あくまでも僕らはアーティストやコンテンツの提供者とお客様を繋ぐツールでしかないんですが、そこで双方の意思を汲んで、円滑化できるサービスである自信は持っています。積極的に導入していただければ、チケットに関する心配もなくなりますし、スムーズに入場してコンテンツを体験できますので、ぜひ我々を懸け橋として上手く使っていただけたらなと思います。

DMM.com イベント事業部営業局 局長 中村圭一氏、Live Styles 取締役 飯塚優希氏