SPECIAL REPORT & INTERVIEW

BABYMETAL、スカパラ・・・日本人アーティスト海外公演の舞台裏を語る
【13th TIMM】ビジネスセミナー「キー・プレーヤー:ザ・ブッキング・エージェント」

【13th TIMM】「キー・プレーヤー:ザ・ブッキング・エージェント」
第13回東京国際ミュージック・マーケット(TIMM)ロゴ<モデレーター>
Billboard magazine / Tokyo Bureau Chief
Rob Schwartz (ロブ・シュワルツ:写真左)
<スピーカー>
APA Talent and Literary Agency / Vice President
John Pantle (ジョン・パントル:写真中)
UNITED TALENT AGENCY / Agent
Ross Warnock (ロス・ワーノック:写真右)
2016年11月16日掲載
10月24日〜26日にかけて開催された、日本音楽の海外進出を目的とした国際音楽マーケット「第13回東京国際ミュージック・マーケット」(以下 13th TIMM)にて、BABYMETALや初音ミク、東京スカパラダイスオーケストラなど、日本アーティストの海外コンサートを手掛ける国際的ブッキング・エージェントが登壇したビジネス・セミナー「キー・プレーヤー:ザ・ブッキング・エージェント」が行われた。

ここ数年で日本アーティストの海外公演が頻繁に行われるようになり、その盛り上がりはメディアや動画サイトを通じて話題になることも増えてきたが、実際にどのようにアーティストをプロモートしコンサートを成功に導いているのか、過去の事例とともにブッキング・エージェントの役割を語った。

今回登壇したのは、東京スカパラダイスオーケストラ、初音ミク、the GazettE、SEKAI NO OWARIなどをクライアントに持つジョン・パントル氏。そしてBABYMETAL、きゃりーぱみゅぱみゅ、RADWIMPSなどを担当しているロス・ワーノック氏。2人とも日本のアーティストを海外に展開するにあたって重要な役割を担っているエージェントだ。


海外展開のキーパーソン=ブッキング・エージェントの役割

そもそも日本ではあまり馴染みのないブッキング・エージェントという仕事。海外展開において、アーティストとプロモーターの間を取り持つ導線を担っており、どの市場が適切か、ツアーの開催時期など最良の戦略を立て、それを実現するためにあらゆる方法を提案するチームのキーとなる。

「他のエージェント、フェス、プロモーター、そしてそれぞれの会場の担当者とコンタクトを取り、ツアーコンセプトを考え、そのクリエイティブプロセスの一部となり、常にクライアントのためにできるだけ多くの収益を上げる事を考えています。我々のビジネスは淡々と仕事をこなすわけでなく、どのようなストーリーをどのように組み立てていくかが重要なのです。」とジョン・パントル氏。

しかし、ブッキング・エージェントの仕事も時代の変化とともに求められることが変わって来ているとロス・ワーノック氏は語る。

【13th TIMM】「キー・プレーヤー:ザ・ブッキング・エージェント」「最近はクリエイティブなプロセスが非常に増えており、私達自身とクライアントに対してモチベーションを与えていく事で、以前では考えられなかったような役割も担うようになってきたと思います。例えば、欧州でBABYMETALを展開したとき、ブランド、パートナーシップ、マーチャンダイジング、デジタルメディアマーケティングと、本当に多くのことに積極的に関わりました。」

ブッキング・エージェントは海外展開において以前から重要なポジションではあったが、今ではショーにアーティストをブッキングするだけではなく、あらゆる海外クライアントとコンタクトを取り、全体のプロセスを提案する存在になりつつあるようだ。

また、「クライアントと契約書は交わしているのか?」という質問に対しては、ジョン・パントル氏は「場合によっては契約書を交わしますが、そんなに多くはありません。アーティストと強固な関係を持っているからこそ、契約書が必要ないんです。ただ、エージェンシーの責任や範囲はどのくらいなのか、あるいはエージェンシーが責任を持つべきでない部分はどこなのかということを、法的な拘束力をもって明確化することが出来るので、契約書を交わすのは良い方法です。特に異文化の出身者同士が仕事をする上で、とても重要だと思います。」と答え、現在は契約書は交わさないことが業界のスタンダードになっているが、やはりそのメリットも感じているようだった。