日本初!ダンス・ミュージックの国際カンファレンス&イベント「TOKYO DANCE MUSIC EVENT」開催

世界的なテクノ/ハウス・レーベルと直接コネクトできる「セッションズ」、BOILER ROOMを通じて全世界配信もされる「ライブ」



—— そして1日(木)、2日(金)にはRed Bull Studios Tokyoで「セッションズ」と銘打ったワークショップが行われます。1日目の「Ableton Meetup Tokyo」はどのようなイベントでしょうか。

倉本:Ableton Liveという、ダンス・ミュージックの制作にもよく活用される音楽ソフトウェアがありまして、そのレクチャーになります。今回は認定トレーナーのKOYAS氏やCD HATA氏、DJ BAKU氏、JUZU a.k.a. MOOCHY氏といったアーティストの方を迎えて、実際にその使い方を学ぶことができます。

—— 2日目の「TOOLROOM ACADEMY」は、世界的なテクノ/ハウス・レーベルのToolroom Records(トゥールルーム)と直接コネクトできる大変貴重な機会ですね。

倉本:そうなんですよ。「TOOLROOM ACADEMY」はレーベルの所属アーティストやA&Rがそのノウハウを教える音楽学校で、これがアジア初開催となります。今回、スロベニアのテクノ・マスターのウメックと、ヨーロッパを中心に活躍しているプロック&フィッチというリアルなアーティストから直接教われるので、貴重な体験になるんじゃないでしょうか。

ローレン:それに今回はデモを渡したら必ずフィードバックをもらえるという約束もあります。

倉本:トゥールルームはアカデミーを通じてアーティストを発掘しているので、もしかしたら今回の参加者から作品のリリースにこぎつける人が現れるかもしれません。「セッションズ」ではどちらかというとプロデューサーやアーティスト志望の方、作家さんやクリエイターの方がおもしろいと思える場を提供できればと考えています。

「TOKYO DANCE MUSIC EVENT」倉本博史
—— そして「ライブ」は、2日(金)、3日(土)に渋谷のWOMB、contact、SOUND MUSEUM VISIONといったクラブにて、ディスコ・レジェンドのジョルジオ・モロダーをはじめ豪華ラインナップを迎えて行われます。なかでも2日(金)に渋谷ヒカリエで実施される「TDME×BOILER ROOM」は、ストリーミング配信メディアのBOILER ROOMを通じて世界にライブ配信されますね。

倉本:それもあって「TDME×BOILER ROOM」には、Wata Igarashi、Seiho、galcid、Sekitova、Satoshi Otsukiという、現在世界で活躍している日本のアーティストにご出演いただきます。これからの方たちをフックアップしたいという気持ちもありますので、プロダクションを含め大いにご期待ください。

—— 世界中の音楽業界の人々と対話ができて、制作の現場に触れることができて、実際にダンス・ミュージックを聴くことができて。いろんな人が楽しめるイベントになりそうですね。

ローレン:カンファレンスは海外と同じようにカジュアルでフレンドリーなものを目指しています。聞きたいトークを聞きにきて、レセプション・パーティーで気になる人に気軽に声をかけたり、自由にゆっくりできるようなイベントにしたいので、音楽業界の人だけでなく、音楽の仕事に就きたい人、アーティスト志望の人、レーベルを作りたい人、もっと音楽を使ってマーケティングしたい人など、あらゆる人に来ていただきたいです。海外のゲストスピーカーが登壇する際は、同時通訳デバイスも準備していますし、学割りチケットもあります。セッションズは音楽制作を志す人向けで、ライブはもちろん誰でもウェルカムです!

—— 音楽と直接関係ない職種の人にとっても、仕事の刺激になるものが見つかりそうです。さて、まだ第一回の開催前で気が早いですが、今後はどのような展望を考えていますか?

柳井:やはり業界内だけでは終わらせたくないので、「カンファレンス」と「セッションズ」は軸として継続していきつつ、来年以降は「ライブ」の部分をもう少し大きなものにしていければと思います。まずは首都圏エリアで年1回のペースで開催して、2020年までに規模を拡大することが目標ですね。

—— ライブの規模が大きくなると観光的なアピールにも繋がりますものね。

柳井:例えば今年の「渋谷音楽祭」は、渋谷駅周辺の道路を交通規制して、そこにいくつもステージを立ててイベントをやっていたんですよ。TDMEでもゆくゆくはそういったことをやりたいと考えていて。我々も一緒になって渋谷エリアを盛り上げていければと考えています。

—— ちなみにみなさん、ダンス・ミュージックの未来や可能性についてどのように考えられていますか?

倉本:可能性を感じてなければやらないですからね(笑)。僕はテクノが好きなんですが、日本のテクノというと、YMOの頃からずっと独自性があるので、それをもっと外に出すべきだし、そこにソニーミュージックが関わることは非常に大事だと思っていて。ソニーミュージックは90年代からケンイシイや石野卓球、BOOM BOOM SATELLITESといった才能を世界に紹介してきて、エッジーなバックグラウンドがあるし海外展開にも強い。なので、TDMEでの繋がりをきっかけに新しいアーティストを世界に発信していけたらと思います。

ローレン:私はアメリカ人なのですが、いまアメリカのラジオを聴くとトップ40のなかにダンス・ミュージックが多く入っていて。でも、5年前や8年前にはポップスのラジオからそういったサウンドが流れてくることはほとんどなかったんです。今後ダンス・ミュージックは音楽にとってさらに大事なジャンルになると思いますし、TDMEはレーベルに関わる人であればさまざまな知識を得られるチャンスだと思いますので、ぜひ参加してほしいですね。

柳井:例えば60~70年代のロックンロール、80~90年代のヒップホップと同じように、いまはダンス・ミュージックの時代だと思うんです。一昔前は〈アーティスト・フィーチャリング・DJ〉というクレジットが多かったですけど、いまはそれが逆転して〈DJ・フィーチャリング・シンガー〉という形が多くなっている。いまのメインストリームは完全にDJが存在の中心となっているので、そんななかで継続していけるような事業やイベントを手掛けていきたいですね。

—— いまや聴き手がダンス・ミュージックと意識してなくても受容している部分は多いですしね。

柳井:日本でもEDMの要素を採り入れたポップスは増えてきているので、ファーストステップとしてはいいところにきていると思います。ただ、日本のポップスと世界的なダンス・ミュージックのトレンドには若干のギャップがあって、もちろんそれが良いところでもありますが、そういったギャップを埋めるべく、世界のトレンドや事情をもっと日本のメインストリームに認知させていきたいです。まずはTDMEに来ていただいて、みんなでシーンを盛り上げましょう!